無題 | まくらごはん

無題

おはよう、と言われるのが好きで、おやすみ、と言われるのが好きで。愛おしそうに目を細めるその顔で微笑まれるのが好きで、少しゴツゴツした大きくてあたたかいその手で触れられるのが好きで。自分は愛されているのだと、そんな恥ずかしいことを、自信を持って言えるようになってしまったのだ。

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そうなるまでは、かなり時間がかかる。
いちまつくんは自分に自信がなくて、大好きなからまつくんを信じたい、信じたいけど、どうしても自分を卑下してしまって、一度だけ喧嘩をしてしまう。どうして俺のことを信じてくれないんだ?こんなにお前を愛しているのに!なんて言う言葉すら軽々しくみえて、お前のことが好きなのに愛しているのに、心から信じることができない自分が更にいやになって、雨の中家を飛び出して。
すっかり身体がつめたくなったころ、公園に迎えにくる。お互いにごめんっていうけど何に対して謝っているのかわからなくて、泣いて、おまえのことがすきなのに、しんじられないじぶんがだいきらいで、でもからまつがすきで。
からまつは深呼吸をする。
俺はいちまつが好きで、いちまつは俺が好きだ。これってすごいことだと思わないか?って笑って、なにいってんのって言うけどそれにもまた笑って。信じるということはこわいことかもしれない、でも、俺はお前に、こわい思いは絶対にさせないし、絶対に離れない、いちまつがいやだと言っても、絶対、死ぬまでだ。少しずつでいいから、俺の思いを、自分の思いを、一緒に信じてみないか?って、よくわかんないことを言われて。僕たち死ぬまで一緒なの?当たり前だろ。俺たちはたったひとりの恋人同士で、兄弟で、家族だからな、って少し困ったように笑ったけど
そういえばそうだったね、ってつられて困ったように笑う。


いちまつくん、少しずつ、自分は世界でいちばん愛されている!って自信を持ってほしい。
ちなみに自信を持ち始めたらとどまつとかに僕って愛されてるなあ〜とか独り言を聞かせてうっぜ〜〜!とか言われる。とどまつは兄弟としての嫉妬もすると思う

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